犬追物
The Mounted Archery Chasing Dogs

犬を射殺すということはない。血を見ないように鉄の矢尻はつけず"犬射引目"(イヌウチヒキメ)という空洞で軽い桐材を使用した。といっても和弓の殺生能力はかなりのもので当たり所が悪ければ絶命したと思われる。
犬に矢を当てればいいというものではない。定められた場所に、定められた馬上姿勢で的中させ、犬に一定のダメージを与える必要があったらしい。自己申告制であり、申告と検見の判定が一致して、評価された。いずれにしろ、馬に乗って逃げ回る犬を射るには相当な技術を要する。
犬追物図屏風
犬追物図屏風より
鎌倉〜室町時代の武士は犬追物で騎射の腕を磨いた。
東京国立博物館

-日本の在来馬(和種)について-

島津家のお家芸

江戸時代には島津家のみのお家芸として伝承されるが生類憐みの令で途絶。江戸後期に復興されるが藩主は見物するだけだった。最後の藩主忠義は自ら射手として参加。明治帝の御前でも二度披露している。明治三十年の彼の死で犬追物はまったく絶え、その作法はすでに謎に包まれてしまっている。
木馬での犬追物の練習
木馬で犬追物の練習をする最後の薩摩藩主島津忠義-矢尻に注目-
尚古集成館

和式馬術に関するのあれこれ


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