Birth'98(熊の出産)へ

子馬と母の出会い

すべては、この2頭だけのものだ。われわれは、ストーブを焚いた部屋で寝ていたのである。

木曽馬牧場では、母馬を夜中見守っている人もいなければ、
前足と頭が産道を通って出てきた子馬の頭と膝をつかみ、引っ張り出すようなこともない。

母の胎内から出て、初めて母に出会う。その瞬間は、彼らだけのもので、私たちが介入する余地はない。


おしりには、胎膜がついている。目も見えない。
へその緒も切れていないかもしれない。母馬が、立ち上がった拍子にプツンと切れる。

やあ!

まだ、立ち上がれない。

瑞穂とMini穂

馬の妊娠期間は、11ヶ月。ヒトは9.3ヶ月。

真夜中の出産。異常分娩の可能性のある馬は、人が起きている時に生むよう、調節しているように見える。

母馬は子馬の鼻のきれいにし、呼吸しやすくしてやる。全身の手入れをし、我が子の”におい”を記憶する。


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