品種改良は、ある動物の集団に対し、1つの目標(改良目標)を持って選抜・淘汰(繁殖に使わない)を繰り返し、目標とした遺伝形質(毛色、体格・体型、能力など)が世代を越えて遺伝することが証明されてはじめて、固定した品種として認められます。日本で改良固定された馬の品種はまだ存在しません。品種改良を行った生産国で、それぞれ好ましい名称を付けたものが品種名になっており、ほとんどが地域名に由来したものです。
在来馬種(和種馬)の歴史は閉じようとしているのだろうか。
観光用に生まれたままに放牧され、むやみに飼いつけされた馬を”純血和種馬”と呼び、懐かしがっているとしたら、和種の歴史は、終わってしまっているのかもしれない。
そんな風に生きている馬たちを、見てきてほしい。自然淘汰もかからず、人と働き、遊ぶこともない、馬のようなものたちを。
なにか、かなしい気持になる。まだまだ和種馬たちは自分の食い扶持くらい自分でかせげるぜ。がんばろう。
かつて、その地方の自然環境、人と馬との共生関係の中で、人間の利益のために、人の手で創り出された馬たち。彼らの”活躍できる場所”を用意すること、そして、その場所で、人と楽しくつきあえるような馬を、かつての日本在来馬の長所を残しながら、生産していくことが、和種の保存であると思う。
-原種の魅力 -乗馬タイプ
頭は大きいし、首は短い、頭が良すぎて頑固者、肩は立ち気味で胴長、動きは固い。
だけど、信じられないほどの過酷な自然環境の中でさえ、草根をほじくり食べて生きて行く。風土の中で生き造られた体は、野性の馬の鉄の体質を持つ。すごい力持ちだし、氷の道も、岩の上も、湿地でも、落ち着いて進んで行くことができる。自分自身で判断することができるからなんだ。
乗る人が乗ればすばらしいランナーだしジャンパーだけど、子供や初心者のミスには寛容だ。こんなすてきな馬っているかい? 乗馬型の在来馬てのはそんなやつらなんだ。
-甲斐の黒駒作出計画-
それぞれの在来和種馬のすぐれた点を生かして日本人の体格とうまくバランスがとれた扱いやすい乗馬タイプの馬を作出しようという計画。